1: きつねうどん ★
 東京や大阪が晴天にもかかわらず、「東海道新幹線は雪のため遅れが発生しています」とアナウンスされることがしばしばある。そういうときは、天下分け目の“あの場所”が雪に見舞われていることが多い。世界一の定時運行性能を誇る東海道新幹線。その唯一の泣きどころが「雪」である。それまで秒単位の正確さで運行していても、雪が降ると途端に運行ダイヤが乱れ始める。東海道新幹線のルート上で特に雪が多いのが、滋賀県と岐阜県の県境に位置する米原・関ヶ原地区である。

 冬場になると、日本海から敦賀湾へ流れ込んだ湿った空気が琵琶湖の北東部をかすめ、伊吹山地と鈴鹿山脈の間の谷筋を抜ける。その際、米原・関ヶ原地区に大雪を降らせる。同地区の年間降雪日数は約40日、降雪量は150~200センチメートルにも及ぶ。ちなみに、この地区にそびえる伊吹山で1927年に記録した積雪量1182センチメートルは世界の最深積雪記録である。

 この北国顔負けの“豪雪地帯”が東海道新幹線のルートと重なる。米原・関ヶ原を中心とした岐阜羽島―近江八幡間、約70キロメートルである。そもそも東海道新幹線のルートを決める際、雪の多いルートを避けるといった方策を考えなかったのか。JR東海は「突貫工事だったので、高速運転と降積雪の関係の検討は不十分だった」と説明する。このルートは在来線も走っているので、当時は「問題なし」としたのかもしれない。

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http://toyokeizai.net/articles/-/104644?display=b
引用元: ・http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/liveplus/1455317069/

 高速走行が雪によってどんな影響を受けるかという認識も不足していた。開業に先立つ1962年、鴨宮モデル線が一部完成した際に、新幹線の運転試験が行われた。が、「残念ながら、このとき鴨宮では関ヶ原のような降雪を経験することがなかった」(JR東海)。 このため、開業当初の雪対策は、雪が降ったらラッセル車で除雪するという、在来線と同レベルの対策で十分ということになってしまった。 

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 1964年10月1日の華々しい開業から3カ月後、冬将軍の到来とともに東海道新幹線と雪との戦いの火ぶたが切って落とされた。翌年の1月9日から11日にかけて関ヶ原地区で雪が降った際、車両の窓ガラスにひびが入ったり、床下のゴミ箱や水タンクが破損するという事故が相次いだ。 

 原因究明の結果、高速走行する新幹線が巻き起こす風で、線路に積もった雪が舞い上がり、車両床下や台車に着雪。これが次第に大きくなって雪塊となり、落下した際の衝撃で線路の砂利(バラスト)が飛散し、車両の窓ガラスを破損させることがわかった。このため、新幹線は降雪時に減速運転を余儀なくされることになった。 

 事故防止の対策として、スプリンクラーによる散水で雪の舞い上がりを防ぐという方策が取られた。水を巻くことで雪質が濡れ雪となり、舞い上がりを防ぐことができるのだ。ただ、散水には問題もあった。米原・関ヶ原地区の線路は盛り土構造となっている。そのため、大量に散水すると豪雨と同じ状態となり、路盤に悪影響を与えるリスクがある。試行錯誤の末、散水量を1時間5ミリメートル程度に抑えるのが適切、という結果が得られた。



3: きつねうどん ★
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 現在、米原・関ヶ原地区には68.5キロメートルにわたってスプリンクラーが設置されている。2009年には、スプリンクラーのノズルを改良し、長方形型に散水することが可能になった。これによって、従来では届かない範囲まで散水できるようになり、効率的な濡れ雪化が実現した。

 もっとも、これでは雪質が変わっただけで、雪が除去されたわけではない。米原・関ヶ原地区では営業運転終了後の深夜にラッセル車による除雪作業を実施しているが、2003年からはロータリーブラシ車による除雪も行うようになった。

 ラッセル車は、大きな排雪板がレールにダメージを与えることのないよう、レールに触れない範囲で除雪する。そのため、レール上面に雪が10センチメートル程度残ってしまう。

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 一方、ブラシを回転させて除雪するブラシ車は、レール上面どころか、レール底面の約5センチメートルまで除雪できる。ブラシの形を線路設備に合わせることで、より深い範囲、つまり枕木付近の除雪まで可能になるのだ。

 ブラシ車自体も、この10年で大きく進化した。これまでのロータリーブラシ車は進行方向が1方向に限られていたため、作業効率上の問題があった。たとえば、米原から岐阜羽島に向けて除雪した後は、逆方向の除雪ができないため、回送で米原まで戻す必要があった。

 この問題を解決するため、2012年に両方向へ走行可能なロータリーブラシ車を新たに開発。作業効率がグンと改善した。「1日の作業量は変わらないが、よりゆっくりと丁寧にできるようになる」(JR東海・新幹線鉄道事業本部の松嵜道洋・施設部長)。1台当たりの導入費用は2億7000万円。2016年度までに4台を導入する計画だ。

 現在、N700系の車両床下と地表にはカメラが設置されており、雪の舞い上がりや車体着雪状態を確認できるようになっている。さらに、かつては運転士が目視で確認していた天気の状況が、2013年からは光学センサーを備えた降雪情報装置によるリアルタイム監視に改められ、客観的なデータ収集が可能になった。

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 こうした情報が名古屋駅や新大阪駅に伝えられると、ホーム下で待機している「雪落とし部隊」の出番となる。雪の付着した列車が到着すると、ホーム下から高圧洗浄機を使って迅速に着雪を除去する。

 スプリンクラー、除雪車、情報機器、人力などを総動員した雪対策により、1976年度には年間635本を記録した雪による運休本数は、1994年度以降、ゼロを継続している。雪による平均遅延時分も、ピーク時(1974年度)の28.1分から5分程度まで大きく改善した。

 「雪対策は永遠の課題。終着点はありません」と、松嵜部長は言う。「雪に弱い新幹線」という汚名の返上に向け、今日も現場の作業員が汗を流している。雪で新幹線が遅れてイライラしたとき、こうした鉄道マンの奮闘を思い出せば、少しは気がまぎれるかもしれない。



4: Ψ
JR北海道は毎年必ず雪のため運休する
冬は毎年来るし雪は毎年降るのに
毎年毎年必ず欠かさず義務のように休むことなく運休する

9: Ψ
関ヶ原地区地下化したらいいオモタが
戦国時代の遺体死体がザックザクで工事進まなくなるんだろなあ

10: Ψ
>松嵜部長は言う。「雪に弱い新幹線」という汚名の返上に向け

雪なる思いですか・・・

13: Ψ
輸送密度が他の新幹線とは桁違いだからたまに運休しても平均の遅延時間は少なくなるんだわな

14: Ψ
>>13
単純往復で、車種、連結車両数を統一した東海や台湾が時間に正確なのは当たり前。
東日本なんて新幹線車両が遮断機付きの踏切を通過してる。

16: Ψ
雪の中すっ飛ばす北陸新幹線ほど怖いものはない。リニア気分を味わえる。

さよなら急行列車